嬉しい第3刷


2020年1月に刊行した『オルガン奏法』の第3刷ができあがってきました。
編著者は作曲家・オルガニストの近藤岳さん。
梅干野安未さん・松岡あさひさんの作曲作品も収録されています。

初級から学べるパイプオルガンの教則本です。
そのような内容の本が版を重ね、たくさんの方に活用して頂けていること、しみじみ嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

内容は下記を見ていただくことにして、ここでは造本についてすこし…
https://douwashoin-books.shop/items/63646d09f3de5c413fc293cc

 

この本は大型のA4判、楽譜もたくさん入った教則本です。
切付表紙といって、カバーなしの表紙のみ、それにツヤpp(コーティング)の加工をして仕上げています。
切付表紙に使える用紙は限られていて、かつては白い用紙でも印刷すると発色が悪く、黒ずんで見えてしまうという難点がありました。現在はそれもだいぶ改良されてきたという印象です。
本文の用紙は、譜めくりのしやすいよう「しなり」のよい紙を選びました。
そして譜面台に置いたときに閉じてしまわないように、「開きのよい」PURという製本法を使っています。

 

 

表紙のデザインは高木達樹さん。
装画は、このところ羊毛フェルトの作家としても活躍されている北原のり子さんです。

画像は、オモテ表紙からウラ表紙へ、ひとつながりになっている装画をお見せしたいと思って掲載しました。

ただし… 『オルガン奏法』をもう持っている方なら、ん?と違和感を感じるかもしれません。
この画像では、ウラとオモテに2羽いる鳥が、黒色になっています。
当初はこういう案もありました。
現行の本では、すこし柔らかく、グレーの鳥たちになっています。

どのような装いにするか、それもまた、内容を表現する大事な要素です。
装幀は、本文がいよいよ校了という佳境で、並行して進む工程なので、楽しくも苦しい、最後の山場。
こんなふうに素晴らしい装画・装幀ができてくると、それまでの苦しさがすべて吹き飛んでしまいます。

わくわく・どきどきが入り交じった、最後で最高の山場です。
(片桐)

 

ご参考までに… 北原のり子さんのインスタグラムはこちら:
https://www.instagram.com/kemono_klnikke/