アトリエより 編集者のブログ

緊急事態宣言、そして新刊発売

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)への恐怖に世界中が覆い尽くされた2020年の春。
いま日本では、全国を対象に発出されていた緊急事態宣言が一部解除されて、すこし人の動きが出てきたところ。

 

この間の出来事をおおまかに書き留めておきます。

 

2019年12月31日、中国・武漢市当局が27人の「原因不明の肺炎患者」について言及、2020年1月9日に新型コロナウィウス検出との報道が出た。
日本では1月6日に国内初の感染者が確認され、1月29日、チャーター機で武漢市在住の日本人206人が帰国。
そして2月5日、横浜港に停泊中の大型クルーズ船で集団感染が発生していることがわかった。

 

このあたりから報道がコロナ一色になってきたと記憶している。けれど、政府の動きは鈍かった。
一つには、中国の習近平主席が4月上旬に国賓として来日することになっていたこと、もう一つが7月に東京オリンピックが予定されていたこと。

 

3月2日、突如として政府が全国の小中高校に臨時休校を要請。
3月5日、習近平主席来日が延期決定。
3月13日、アメリカのトランプ大統領が初めてオリンピック延期に言及し、IOCやWHOや世界の世論や日本政府の運動などあれこれの動きがあり、3月22日に東京オリンピック延期が正式決定。
そうしてようやく、コロナ対応が本格化した。

 

4月7日、政府は「新型インフルエンザ等緊急事態宣言(緊急事態宣言)」を発出(7都府県が対象。5月6日まで)。同月16日、宣言の対象を全国に拡大。
5月4日、宣言の期限を5月31日まで延長。
5月15日、39県を宣言から除外。

 

出版界では、3月初めの学校の休校を境に書店での売上が激減し、通常の営業活動ができなくなりました。
amazonから「日常生活を維持するための商品の配送を優先し、その他の商品の発注を抑制する」旨の通達が来て、PO(発注)が激減、プライム会員でも配送に数日かかる、カートが落ちるといった現象が頻発。
5月15日を境に再びPOが来るようになりましたが、いまだ復旧にはほど遠い印象です。

 

小社では4月刊行予定の本があったのですが……

音楽界はすでにコンサート活動が軒並み中止となって悲痛に沈み込み、3月の政府の休校要請で世の中が大混乱、この先なにが起こるかわからないという恐怖感・不安感が増大していき、とても新刊を告知する雰囲気ではなくなっていました。

そして、印刷・製本の制作も、流通も、すべてがこれまで通りにはいかないだろう、ということも否応もなく受け入れざるを得ませんでした。

 

判断に迷ったのは、ではいつまで発売を延期すれば状況が改善するのか、ということ。
最後は、状況は読めない、少しでも良くなっていることを期待して、できることをするほかない。
そう腹をくくるしかありませんでした。

 

世界史のうえでも未曾有の出来事に直面したこの春。
日々刻々、状況が変化し、何が起き、何を感じ考えるのか。
この体験は、のちのちまで自分の考えや行動に響いていくことと思います。

 

社会のすみずみまで、影響を受ける人がいない今回のコロナ禍。
多くのものを失い、悲嘆に沈む人たちが、一体どれだけいるのだろう。
そんななか、本を作り、その本をほしいと求めてくださるお客様になんとか届けることができる。
それは幸運以外のなにものでもなく……自分がやるべきことを精一杯やるのみです。

 

どうかこれ以上、苦しみ悩む人が増えませんように。

コロナ禍の日本で

ブログを始めることにしました。

 

本をつくる場なのに「アトリエ」は変かもしれませんが……
子ども時代、絵描きの父のアトリエの片隅で、本を読んだり絵を描いたり昼寝したりして育ち、それが今の自分の「根」になっています。
どんなに忙しくとも、季節ごとに変わる陽光、吹き抜ける風を感じながら、日々を過ごしたい。
そうして人間らしさを失わずにいることが、だれかの心の糧となる本、未来を少しでも佳い方向に変える力をもった本をつくることにつながるのでは。
そういう願いを込めて、「アトリエ」と名付けました。

 

この春、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が世界を席巻し、経済活動や人々の暮らし、子どもの教育の場など、社会のすみずみまで打撃を与え、その影響ははかりしれません。
「戦争」の比喩も決して大げさではないのだと実感する日々。

 

2020年の年が明けたとき、東京オリンピックが延期になるとは、誰が予想したでしょうか。
そして、仕事のうえでも、自分や家族のいのちでさえも、「なんとか生き延びよう」という言葉が、本気で行き交うようになるとは。

 

一日も早く、事態が終息することを祈りつつ……

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