悪夢の誤植
誤植とはなぜか、新しい本ができあがって嬉しくて、にこにこしながらページを繰っている時に限って、ぴかりと光るように存在を主張する。
誤植の神様、などというものは居ないとは思いますが…
そういう時は、何者かの満足げなくすくす笑いが、確かに聞こえる気がします。
今回の新刊(ハイニヘン)、内容には関わりがないのですが、たいへん派手な、最高にみっともない、誤植が一つ、ございます。
実は年末に見本ができた時すでに、わかっておりました。
さる取次のデータ登録担当者から連絡を受けて判明。
出先から戻る途中にスタッフからスマホにメッセージが来て、「血の気が引く」とはこのことか、と。
戻って確かめるまでの30分間は、忘れられない。
いかにもありがちな、製作の最終行程での誤植発生。
最も神経をつかう作業が終わり、半ば「自分の手を離れた」段階のことで、注意が散漫になっていたものと思われます。
しかし校正は確かにしている私。言い訳のしようもなく… 落ち込みは半端ないものでした。
編集者生活30年(!)、ありがちな、笑い話になるようなミス、しかしこれまでは辛くも免れていたミス。
痛恨です。
ご購読の方には大変申し訳ない次第ですが、この誤植ゆえの返本、交換は致しかねますので、ひらにご容赦願いたく…
(片桐文子)
【山梨県某所にて。南天の花が綺麗でした】
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