新しい年度のはじまり


道和書院、今日から3期目。
 
2018年12月に事業承継をして新会社にしてから、無事に3期目を迎えました。
小さな歩みですが、コロナ禍のもと、奇跡的に良いかたちで第2期を締めることができ、感慨ひとしおです。
これも、たくさんの方の応援のおかげです。
 
8月末決算、というのは珍しい、のかどうか、よくわかりませんが、そのように設定した理由はいくつかあります。
 
年末年始や3月の年度末に、わざわざ忙しくすることもあるまい。11月は印税などの支払調書作成もひと仕事。税理士さんに優しい決算期がいい、というのが一つ。
 
採用テキストを扱っている関係で、編集の仕事がいつも11月~2月が繁忙期になるので、それを外したい。正月くらい休みたい。
 
採用テキストを3~5月に出荷し、その売れ残りが返品されてくるのが7~8月。逆に、後期の採用の出荷が始まるのが8月。
採用に備えて重版したばかりの在庫が課税されてしまうリスクもない。商品の動き、在庫の量が、最も落ち着いている(会社の実態を適正に反映している)のがこの時期。
 
夏は急ぎの仕事も少なく、決算を見据えた、あれやこれやの差配もしやすい。
 
こういったことを考えるのも面白い。
編集以外の仕事もてんこ盛りでなかなか大変ですが、いちいち面白いので、苦にはなりません。
 
いまや、音楽書のジャンルは立派な出版社がたくさんあり、もう一つ出版社を付け加える必要はないと思いましたが……
 
前職でもそうだったのですが、「どこも取り上げない、しかし大きな可能性を秘めた企画」というのは必ずあるもので、むしろそういったものを手がけたい、と、思ってやってきました。
 
誰もが思いつく企画じゃ、面白くないじゃないですか。
そういう本を作るのが上手な出版社(編集者)は、他にたくさんありますし……
 
会社・組織そのものは決して大きくせず、小さく維持することで、無理な量産はしなくてもやっていけるシステムを作る。
そうすることで、企画と精神の自由を確保していきたいと思うのです。
 
傲ってるなぁ 
と感じる方もいるかもしれませんが、そんな偉そうなものではありません。
 
地を這う自由。
こういう発想は、もしかしたら女性ならではなのかも……
成功、成長、勝利、拡大、マジョリティ。そういうものを、はなから求めていないのです。
 
1冊、1冊、未来につながる本を。
どこまでいけるかわかりませんが、「明日、世界が終わるとしても、りんごの木を植える」ように、次につくる本に心を向けていけたら幸せです。