著者 出演情報(森本頼子氏)
実演つきシンポジウム
3/23 東京藝術大学


2025年3月23日(日)、
シェレメーチェフ家の農奴劇場』の著者 森本頼子さん出演の
シンポジウムが開催されます。

第6章「ロシアのオペラを創る」に登場する、サッキーニのオペラ《ルノー》
パリ・オペラ座初演の数年後、シェレメーチェフの劇場で、ロシア語に翻訳されて上演されました。
このオペラの元になっているのがタッソの叙事詩『解放されたエルサレム』です。

このシンポでは、『解放されたエルサレム』を元に各国で盛んに創作された音楽/美術作品について、何名かの研究者が発表します。
森本頼子さんは《ルノー》を中心にシェレメーチェフの上演活動を発表。
《ルノー》の中のアリアも演奏予定です。


■開催概要

シンポジウム  オペラ・アリアの実演付き

バロック・オペラとイタリア叙事詩
 ~タッソ『解放されたエルサレム』と芸術作品
 
2025年3月23日(日) 13:00~17:40(開場:12:30)
東京藝術大学 上野キャンパス 音楽学部 5号館 1階 109番教室

事前登録制 入場無料(座席数に限りがありますので先着順となります)
参加希望者は3月21日(金)までにこちらからご登録下さい。


■内容

詩人トルクァート・タッソの叙事詩『解放されたエルサレム』(1581年刊行)は、イタリア文学を代表する傑作のひとつです。カトリック改革の時代に書かれたこの作品は、第一回十字軍が異教徒からエルサレムを奪還するという内容で、出版当初から高く評価されました。その後も本作を原作とする数多くの音楽作品や美術作品が生み出され、ますますその人気は高まっていきます。なかでも十字軍の勇者リナルドと異教徒の魔女アルミーダの恋物語は、多くの芸術作品の題材となりました。
今回開催するシンポジウムでは、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、ロシアにおける『解放されたエルサレム』を基としたオペラの広がりを分析すると同時に、美術作品に見られる叙事詩の影響を考察していきます。また、東京藝術大学音楽学部古楽研究室の協力により、オペラ・アリアの実演も行います。本催しが芸術分野における「『解放されたエルサレム』現象」ともいえる熱狂(フィーバー)の解明に一石を投じられれば幸いです。
(企画・構成:大崎さやの)


■プログラム

13:00 開会挨拶 趣旨説明

発表1:
イタリアとフランスのオペラ台本における『解放されたエルサレム』
大崎さやの(東京藝術大学)

発表2:
フランスにおける《アルミード》の変容 ―リュリからグルックへ
森佳子(早稲田大学)

発表3:
18世紀ロシアにおける『解放されたエルサレム』にもとづくオペラの上演 ―宮廷劇場と農奴劇場を中心に
森本頼子(名古屋音楽大学)

発表4:
ロンドンにおけるイタリア・オペラ黎明期に上演されたヘンデル《リナルド》の特徴
江秀和(杏林大学)

質疑応答 休憩

15:10
演奏1

発表5:
18世紀ドイツ諸都市における『解放されたエルサレム』にもとづくオペラ ―C.H.グラウン《アルミーダ》を中心として
大河内文恵(東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校)

発表6:魔女オペラと《オルランド・フリオーゾ》
辻昌宏(明治大学)

発表7:『解放されたエルサレム』の絵画化 ―17世紀イタリアの事例から
新保淳乃(武蔵大学)

演奏2

コメント:
横山義志(学習院大学、SPAC-静岡県舞台芸術センター)
上西明子(東京藝術大学)

質疑応答・閉会挨拶


■演奏者

枝 紀花(ソプラノ、修士2年)
小泉莉穂(ソプラノ、修士1年)
寺内詩織(バロックヴァイオリン、別科1年)
前川陽香(チェンバロ、修士2年)


■演奏予定曲目

リュリ《アルミード》第2幕第5場 アルミードのエール“Enfin, il est en ma puissance”
グルック《アルミード》第2幕第5場 アルミードのエール“Enfin, il est en ma puissance”
ヘンデル《リナルド》第2幕第4場 アルミレーナのアリア “Lascia ch’io pianga”ほか
(曲目、演奏順など、詳しくは当日発表となります)


■主催・協力・後援

主催: 科学研究費基盤(B)「啓蒙期ヨーロッパの芸術における「他者」の総合的研究」(研究課題番号:24K00051)
協力: 東京藝術大学音楽学部 古楽研究室
後援: 早稲田大学総合研究機構オペラ/音楽劇研究所 西洋比較演劇研究会 日本18世紀学会