キャンプセラピーの実践

発達障碍児の自己形成支援
■著者 坂本 昭裕
■発行年月日 2023年9月25日
■体裁・総頁 A5判並製・248頁
■ISBNとCコード 978-4-8105-3602-7 C3011
■価格(税別) ¥3,000

■内容紹介

心理治療的な効果を持ちうる場として、
注目を集めるキャンプ体験。
臨床心理士であり野外教育の専門家による、
プログラムの実際とキャンプカウンセラーの役割。
効果の数量的な検証、詳細な事例研究。


【本文より】
「MTBをこぎながら,山を歩きながら,さまざまなエピソードが起こり,それについてグループでの振り返りをすることで、発達障碍児の主体性が形成される瞬間を垣間見ることがしばしばあった。……発達障碍児のキャンプセラピーでは,このようなことがプログラムの中でおのずから生じることが多いように思われ,クライエント自身が原因となって引き起こした体験(トラブル)が多いだけに,その影響力は大きいように思われる。」(第9章)

■目次

第1部 キャンプセラピーとは何か

第1章 発達障碍児への支援とキャンプセラピー
第2章 キャンプセラピーとは何か
第3章 キャンプセラピーの効果に関する研究

第2部 統計的研究

第4章 心理的課題を抱える生徒を対象としたキャンプセラピー
第5章 自己概念,被受容感,社会的スキル
第6章 自我機能に及ぼす効果

第3部 質的研究

第7章 事例A 場面緘黙のため人前で発言できないASD児
第8章 事例B 自分本位にふるまうADHD児
第9章 事例C からかわれるとカッとなって暴力をふるってしまうADHD児
第10章 キャンプセラピー実践の課題

■著者・訳者紹介

坂本昭裕(Akihiro Sakamoto)
1964年,富山県生まれ,1987年,筑波大学体育専門学群卒業。
1989年,同大学大学院体育研究科修了。博士(コーチング学),臨床心理士・公認心理師。1993年,図書館情報大学助手。1999年,ミシガン州立大学客員研究員。
2004年,筑波大学体育系に奉職。2012年,同大学体育系教授。
2020年より同大学大学院博士課程大学体育スポーツ高度化共同専攻長,現在に至る。
日本野外教育学会理事長。日本臨床心理身体運動学会理事。
共著:
中込四郎ほか編集『シリーズ心理学と仕事 スポーツ心理学』(北大路書房)
日本野外教育学会編『野外教育研究法』(杏林書院)
中込四郎ほか編『情動と運動—スポーツとこころ』(朝倉書店)
中込四郎ほか編『身体性コンピテンスと未来の子どもの育ち』(明石書店)ほか。
(2023年8月現在)