レルヒ 日本にスキーを伝えた将校〈増補新版〉

■著者 新井 博
■発行年月日 2022年3月30日
■体裁・総頁 四六判並製カバー装/240頁
■ISBNとCコード 978-4-8105-2140-5 C0021
■価格(税別) ¥2,000

■内容紹介

波乱万丈のレルヒ評伝、待望の増補新版。


明治末期、軍事視察のため来日したオーストリア・ハンガリー帝国の参謀将校レルヒ。
日本軍の要請で、滑走技術のみならず、競技会・スキーツアーの開催法、軍隊での雪中露営・行軍の方法など、体系的なスキー指導を行った。

レルヒは故国ウィーンで、ツダルスキーらと共にアルペンスキークラブで活躍し、帝国軍へのスキー導入を行った、筋金入りのスキー愛好家だった。

帰国後のレルヒは、第一次大戦の戦禍に巻き込まれ、最前線で指揮をとる。
しかし敗戦、故国は瓦解。苦悩の後半生となった。
しかし日本では、レルヒのまいた種が大きく成長していた…

新版では、レルヒ後の日本スキーの発展を描く新稿50ページを増補。
レルヒ離日後わずか10年余で、今日まで続く全日本スキー選手権大会の第1回が開催された。
他のスポーツよりはるかに遅れて日本に入ってきたにもかかわらず、瞬く間にオリンピック参加を目指すまでに飛躍した。
その原動力はいったい何だったのか?

日本のスキー文化の礎が、ここにある。



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【テオドール・エドラー・フォン・レルヒ(日本スキー発祥記念館 蔵)】

■目次

はじめに 増補新版にあたって

Ⅰ 来日以前

第1章 生い立ち
第2章 軍人として
第3章 スキーとの出会い
第4章 日本への派遣計画

Ⅱ 日本でのレルヒ

第5章 日本初のスキー講習
第6章 レルヒが紹介したスキー技術
第7章 レルヒのスキー指導
第8章 軍事視察と帰国

Ⅲ 帰国後

第9章 戦禍のヨーロッパで
第10章 退役後
エピローグ

【新版における増補】
Ⅳ 高田から全国へ――日本スキーの発展

第11章 レルヒ帰国後のスキー
第12章 市民への広まり
第13章 日本スキー俱楽部高田支部
第14章 スキー復興

■著者・訳者紹介

新井 博(Hiroshi Arai)
1956年栃木県生まれ。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。博士(学術)。 福井大学,びわこ成蹊スポーツ大学を経て,現在,日本福祉大学スポーツ科学部スポーツ科学科教授。日本体育史学会会長。 専門は,体育史,スポーツ産業史。
近年の主な著作:
共編著『郷土史大系 観光・娯楽・スポーツ』(朝倉書店,2021年)
共編著『スポーツ技術・戦術史』(流通経済大学出版会,2021年)
共編著『スキー研究 100年の軌跡と展望』(道和書院,2021年)
編著 『新版 スポーツの歴史と文化』(道和書院,2019年)など。

(2022年2月現在)