ルネサンス~初期バロックの歌唱法

16世紀イギリス・イタリアの演奏習慣を探る
■著者 ロバート・トフト
■訳者 高久桂
■初版発行年月 2020年10月初旬
■体裁・総頁 A5判並製 400頁予定
■ISBNとCコード 978-4-8105-3005-6 C1073
■価格(税別) ¥4,000
在庫状態 : 入荷待ち
 

■内容紹介

ルネサンス~初期バロック(1500~1620年頃)、
とくにイングランドとイタリアにおいて、
声楽曲はどのように演奏されていたのか?

その歌唱実践を多数の歴史的資料から解き明かし、
現代の演奏に生かす道を探る。

譜例多数。


*価格は、2020年4月現在の予定価格です。


【内容】

第1部: 準備(歌詞の配置法)

第2部: 表現法(歌曲の詩と音楽で用いられている修辞学的技巧)

第3部: 実演法(句読法、アクセント、声色、装飾法、身振りなど)

第4部: ケース・スタディ(ダウランド、カッチーニ、モンテヴェルディの4曲)

補遺:
・ルネサンス~初期バロックの音楽理論の紹介
・ムジカ・フィクタ(記譜されていない半音変化)の原則
・ドイツの演奏習慣
・用語集


【推薦】

アントニー・ルーリー(コンソート・オブ・ミュージック ディレクター、バーゼル・スコラ・カントルム教授[原書刊行当時])
「学識深く緻密な研究成果と、若い演奏家を教え導くための⾒事な応⽤法とが、他に類のないやりかたで組み合わされた本。トフトは的確な洞察⼒を持ち、「当時」から「現在」への翻訳者にして導き⼿、研究者にしてチューターのようだ」

イヴリン・タブ(バーゼル・スコラ・カントルム声楽教授)
「このすばらしい著作は、私がこれまで35 年間にわたって演奏し、教えてきたことを裏付けてくれた。本書によって私はさらに確かな後ろ盾をもって続けていくことができる。「情感に満ちた声 Passionate Voices」に深い興味を持つ教師と⽣徒のために⼀次史料をまとめ、それをたいへん便利な形で抜き出してくれたロバートに謝意を表したい」


【原書】

With Passionate Voice: Re-creative Singing in Sixteenth-century England and Italy
by Robert Toft
Oxford University Press, 2014

 

*本邦訳書の出版にあたっては、公益財団法人野村財団、グレイトブリテン・ササカワ財団より助成をいただいています。

■目次



第1部 テクストを準備する
音に適切に結びつけられた言葉


第2部 エロクツィオ(表現法 Elocutio)――洗練された言葉と音楽
あらゆる転義(Trope)、あらゆる文彩(Figure)


第3部 プロヌンチアツィオ(演説法 Pronunciatio)――表現豊かに歌い、適切に演ずる

1 歌によって語り伝える技術
満足させられたあらゆる感覚
アクセント(抑揚)とエンファシス(強勢)
明瞭に発音する
明かされた文彩と情念に満ちた装飾

2 装飾の庭
分割技法
装飾音

3 所作


第4部 発せられた情念に満ちた歌


1 イングランドにおけるプロソポポエイア(擬人表現 Prosopopoeia)
ジョン・ダウランド 《悲しみよとどまれ Sorrow stay》
ジョン・ダウランド 《暗闇にわたしを住まわせてくれ In darknesse let mee dwell》

2 イタリアにおける情感豊かな歌唱(Affetto cantando)と多声での歌唱
ジュリオ・カッチーニ 《ああ、どこへ行ってしまったのだ Deh dove son fuggiti》
クラウディオ・モンテヴェルディ 《甘く、愛しい口づけ Baci soavi e cari》

補遺
・優れた楽曲を理解する
・シャープとフラットの付加
・ドイツにおける実践
・用語集

索引

■著者・訳者紹介

ロバート・トフト(Robert Eric Toft)
カナダのウェスタン大学音楽学部教授。主な研究分野は16世紀から19世紀にかけての歌唱に関する演奏実践。1984年にロンドン大学キングズ・カレッジにて、16世紀の臨時記号と装飾法に関してジョスカンのインタビュレーションと楽譜資料をもとに研究した論文でPhD取得。音楽学分野の主要学術誌に論文多数。歴史的情報にもとづく音楽の演奏実践について、世界各国の学会やサマー・スクール、ワークショップに登壇している。


高久 桂(たかひさ けい)
1987年生まれ。立教大学法学部政治学科卒業。青山学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了(西洋音楽史専攻)。同課程において音楽学を那須輝彦に師事、16~17世紀イングランドの音楽を中心に研究。中世ルネサンス音楽史研究会同人。同研究会の出版物にグイド・ダレッツォ『ミクロログス(音楽理論):全訳と解説』(春秋社)がある。中世日本音楽学会、The Lute Society(UK)、The Lute Society of America、日本リュート協会、The Renaissance Society of America 各会員。現在、桐朋学園大学附属図書館専任事務職員。