スキー研究
100年の軌跡と展望

■編者 日本スキー学会
■編著者 新井博三浦哲多田憲孝池田耕太郎竹田唯史布目靖則呉羽正昭山根真紀
■発行年月日 2021年3月1日
■体裁・総頁 A5判横組並製カバー装・344頁
■ISBNとCコード 978-4-8105-2138-2 C3075
■価格(税別) ¥3,600

■内容紹介

スノースポーツの科学、最前線。

日本にスキーが伝えられて110年。
スキーを愛し、科学の眼で探究を重ねてきた
多くの先人の情熱を伝え、
最新の研究成果を紹介する。

日本スキー学会設立30周年記念出版


【内容】

第1章 歴史(新井博 編)
レルヒの学んだスキーと手記に見る日本,ノルディックの紹介者ヘルセット,
シュナイダーのアルペンスキーの継承,昭和初期の日本スキー

第2章 運動の科学(三浦哲 編)
アルペンスキーの体力とトレーニング・滑走ラインとタイム,
スキー・スノーボードの動作分析,
登る・走る・跳ぶ・コブ滑走の運動の科学

第3章 工学(多田憲孝 編)
滑走の計測・解析技術(映像とセンサ),滑走時の生理・生体情報計測,
雪の摩擦・除雪抵抗,スキーロボット,スキー板の開発,工学の役割

第4章 医学(池田耕太郎 編)
外傷とスキー医学,膝前十字靭帯(ACL)損傷,コンディショニングエクササイズ,
60年の診療記録に見る外傷の特徴,山岳スキーの医学

第5章 指導(竹田唯史 編)
スキーの指導用語と学習方法,情報・通信機器を利用した効果的な指導,
スキー実習の教育的効果,スキー文学

第6章 安全(布目靖則 編)
運動特性と内在危険,
キー・スノーボード・バックカントリースキー事故の実態と判例,
スキー場管理,安全教育,スノースポーツ安全基準

第7章 ツーリズム(呉羽正昭 編)
スキー・ツーリズムとスキー場,日本のスキー場開発,
スキー場経営とその変化,インバウンド・ツーリズムの発展,
日本のスキーリゾート

第8章 中高齢者(山根真紀 編)
スポーツを楽しむ高齢者の現状とこれまでの研究,
マスターズスキーの現状と参加者の外傷・精神健康,
海外における中高齢者の健康とスキー


【著者】(50音順)

新井博,池田弘一,池田耕太郎,井上雅之,上杉雅文,河合茂博,
国見保夫,呉羽正昭,近藤亜希子,近藤雄一郎,坂谷充,塩野谷明,
高村直成,竹田唯史,武田作郁,多田憲孝,土岐仁,中里浩介,
中野友博,布目靖則,伴好彦,廣瀬圭,藤巻良昌,伏見知何子,
舛井禎久,三浦哲,山根真紀,吉川昌則,吉田陽平,蓬田高正,渡邉仁

■目次

はじめに
序論 日本スキー研究小史

第1章  歴史

1.1 レルヒのオーストリアでのスキー活動と日本観
1.2 ノルディック競技の紹介者ヘルセットの生涯と日本観
1.3 日本における競技スキーの強化
1.4 シュナイダーのアルペンスキーの日本での継承
1.5 1931~33 年の文部省によるスキー指導者講習会
1.6 昭和初期のスキー・ツーリズムの始まり
1.7 日中戦争下での厚生省によるスキー普及

第2章 運動の科学

2.1 アルペンスキーの体力とトレーニング
2.2 ターン動作の科学
2.3 アルペンスキー競技選手を取り巻く科学
2.4 多様なスノースポーツの科学
2.5 スノースポーツ科学の現状

第3章 工学

3.1 スノースポーツにおける工学的アプローチ
3.2 スキー・スノーボード滑走の計測・解析技術
3.3 スキー滑走時の生理・生体情報計測の意義
3.4 雪の摩擦・除雪抵抗
3.5 スキーロボット
3.6 スキー板の開発
3.7 オリンピアンから見たスノースポーツにおける工学の役割

第4章 医学

4.1 スキーの外傷とスキー医学の発展
4.2 スキーインストラクターのスキー外傷の既往と膝前十字靭帯損傷に対する認識について
4.3 アルペンスキーにおけるコンディショニングエクササイズの提案
4.4 スキー・スノーボード外傷とその特徴
4.5 山岳スキーの医学

第5章 指導

5.1 スキーの指導用語と学習方法
5.2 スキーの指導
5.3 情報・通信機器を利用した効果的な指導
5.4 スキー実習の教育的効果とスキー文学

第6章 安全

6.1 スキーの運動特性と内在危険
6.2 スキー事故の実態
6.3 スノースポーツ安全基準
6.4 スノースポーツ事故の判例
6.5 安全教育
6.6 まとめに代えて ― スキーと安全に関するいくつかの視点

第7章 ツーリズム

7.1 スキーとツーリズム
7.2 日本スキー学会シンポジウムでのツーリズム研究
7.3 日本のスキー場開発
7.4 スキー場と地域
7.5 日本におけるスキー場の経営とその変化
7.6 インバウンド・ツーリズムの発展と日本のスキーリゾート

第8章 中高齢者

8.1 運動・スポーツを行う高齢者の状況
8.2 日本スキー学会における高齢者研究
8.3 マスターズスキーの現状
8.4 マスターズスキー参加者の外傷や精神健康の特徴
8.5 海外における中高齢者の健康とスキー

■著者・訳者紹介

日本スキー学会(Japan Society of Ski Sciences)

http://js3.jp/

スキー関連諸科学の発展に寄与することを目的として1990(平成2)年に設立.会員には幅広い分野の研究者のほか,スキー指導者および愛好家,スキー場関係者,スキー製作者など多彩なメンバーが集い,多角的・総合的にスキーに関する研究討議を重ねている.毎年、春・秋に研究会・大会を開催.スキーの学術研究の奨励・発展に資することを目的に2009年より「論文賞」を,2013年より「優秀発表賞」を設け,優れた論文・研究発表を顕彰している.

学会誌:
『スキー研究』(2003- .J-STAGE搭載)
『日本スキー学会誌』(1991-2013)